三重県内のゴルフ場です。18番ホール、ライバルの友人に一打リードしてのティーショットです。ティーグランドからの見晴らしを楽しむ余裕は到底ありません。なんでかって、この友人には一打でも負けるわけにはいかないからです。男のプライドがかかっているのです。
このホールにはティーショットの方向に2種類の選択があります。写真をご覧ください。ピンに向かって①にティーショットを打つ選択をするなら、うまくいけばピンまで約100ヤードのセカンドショットが残ります。ただし、池を超えるのに210ヤードのキャリーが必要です。左は見ての通り池があり、少しでもスライスがかかってしまえば池を超えるのに230ヤード必要になります。②の方向に打てば、フェアウェイを広く使えます。池につかまる心配は半減します。しかしグリーンまでは180ヤードを残すことになります。風は結構なアゲンスト。オーナーは私。友人は私のティーショットを見てから方向を決定することになります。
友人の選択肢は四つあります。僕が池越えに成功すれば、彼も池越えを選択せざるを得ません。私が池につかまった場合は、彼は躊躇なく②の方向を選択するでしょう。もし、私が池に入れるリスクを避けティーショットを②に打った場合はどうでしょう。彼は逆転する望みを待って①に打つか、逆転の望みは少なくなるが何とか同点狙いで私と同じように②に打っていくのか?
さて、あなたが私の立場ならならどっちを選択しますか?ゴルファーでなくても何とか理解していただくことができるでしょうか。
このような選択は人生においても、商売においてもしばしば起こってくるように感じます。私も人生57年やってますので、あの時にとかこの時にとかいろいろとターニングポイントを思い起こすことがあります。しかし、打つときに追い風が吹く時もあります。また、池に落としたとしても友人も肩に力が入り失敗することがあります。わからない事ばかりなので、後悔しないように自分としてのベストを尽くすことが肝心であると結論付ける事にします。
ゴルフの結果はどうなったかって?僕は果敢にも池越えにチャレンジして、見事に成功しました。友人ももちろん池越えを選択しましたが、ボールは池の藻くずと消えました。その後、気が抜けた私はセカンドショットをトップしてグリーン奥のバンカーへいれダブルボギー、友人もダブルボギーとして結局私が一打勝ちました。
視聴者の皆さんには、しまりのない結末を心よりお詫び申し上げます。
清水 剛介